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原発・池田信夫氏フィーバー(その2) [原発・被曝関連]

前回「池田信夫氏VS孫正義氏」では、池田氏の毒入りのツイッター発言ばかりを取り上げてしまったので、池田氏のまともで説得力のある発言を紹介。
そして、ツイッター発言に惑わされずに、長文の池田氏の記事をちゃんと読めば、池田氏VS孫氏ではなく、孫氏へ期待しているからこその池田氏の孫氏への提言と受け取れる。

・・・・・・
追加分

池田氏のブログ
○「酒やタバコは放射線より怖い」
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51703648.htmlより
以下、転載
・・・・・・

発がんリスク

受動喫煙の女性 1.02~1.03倍
野菜不足 1.06倍
放射線被曝100~200mSv 1.08倍
塩分の取りすぎ 1.11~1.15倍
放射線被曝200~500mSv 1.16倍
運動不足 1.15~1.19倍
肥満 1.22倍
放射線1Sv 1.4倍
毎日2合以上の飲酒 1.4倍
放射線被曝2Sv 1.6倍
喫煙 1.6倍
毎日3合以上の飲酒 1.6倍

・・・・・・
転載終わり。

国立ガンセンターの調べによる数字だという。
武田邦彦氏のブログ記事と合わせて読んでみて、個人的判断をすればいいと思う。ただし、被曝以外の、喫煙、野菜不足、運動不足、塩分のとりすぎ、肥満、飲酒は・・・自己責任・・・である。

そして、「野菜不足」って、どの程度の?塩分の摂りすぎもどの程度?受動喫煙ってどの程度の煙?どのくらいの期間?という具合に、曖昧だ。
どういうデータの取り方をして、そういう表になったのか・・・(それは全てのデータに言えることだが)
曖昧なほど数字の操作が出来る。

では、同感した他の方のコメントも紹介。以下転載

・・・・・・

日本人のがん罹患率は生涯で50%であり、放射線の影響で54%にしかならないと言っているが、その解釈の仕方があまりにも文系的だ。日本人のがん罹患率は59歳まででは10%に満たない。
仮に生涯で100人中50人がガンになるところを、放射線の影響で54人になるとして、その+4人がどの年齢層で現れるかが問題。
実証データがあるかどうかは知らないが、仮に59歳までにガンになる10人が14人になるとすれば、人の生活設計を考えるうえで、この影響は大きい。

・・・・・・
転載終わり。

・・・・・・
では、まず池田信夫氏のブログより

○「原発の安全性よ経済性についての数字」
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51703447.html

↑他の人のコメントもとても参考になる。

ただ、素人の私は、原発が大事故(レベル7)を起こした時の損害は、国家規模で経済的ダメージを受け、火力の大事故の経済的損害とは較べ物にならないと思っているけれど・・・。

そして、おそらく原発が大事故を起こす時は、大震災が起きた時だろう。
大震災で国も経済が大打撃を受けた上に、原発事故による損害が重なるのである。国家的危機に陥るといっても過言ではない気がする。

原発が大事故を起こした時の経済的リスクと、火力が大事故を起こした時の経済的リスクは、やはり圧倒的に原発が大きいと思うのだが。(もちろん、原発は事故を起こす確率は低いのだろうから、事故の頻度も掛け合わせた数字ということで考えても、レベル7の原発事故のほうがリスクが大きいように思う。火力事故で、国家的危機に陥るというのは考えにくいからだ)

課題が残る「放射性廃棄物の最終処理」について、池田氏は「途上国に開発援助と交換で引き取ってもらうことも可能である。世界には人の立ち入らない砂漠や山地はいくらでもあり、有害な産業廃棄物も放射性物質だけではない。これはコストの問題にすぎず、原発を全面的に廃止する根拠にはならない。」と言っている。
この件に関し、ツイッターでも「排出権取引と同じで、道義的にはひっかかるが、経済的には合理的」と発言。

経済的に考えるか、道義的に考えるか・・・国のあり方が問われそうだ・・・



○「再生可能エネルギーは原発の代わりにならない」
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51701378.htmlより、
以下、抜粋転載
・・・・・・

私は太陽光に意味がないと言っているのではない。その用途は家庭用の小規模な利用が適しており、原発の代わりにはならないのだ。電力会社は、電圧や周波数の調整が面倒なので、料金だけ払って再生可能エネルギーの電力を捨てている。福島事故のあとは、送電網の調整ができないので電力の卸売市場は停止されている。

つまり最大の障害は、技術ではないのだ。電力会社が送電網ももっているため、IPP(独立系発電事業者)との公正競争が成り立たないことが根本問題で、この構造が続くかぎり、再生可能エネルギーは補助金に頼らざるをえない。これは孫氏が「光の道」で激しく糾弾したNTTの独占を維持する構造と同じである。

もちろんNTTと同じく、発送電分離のコストは(経済的にも技術的にも)大きいので、電力会社は全力で抵抗するだろう。昨今出ている政府の東電救済案は現在の東電を丸ごとベイルアウトしようというもので、このままではどさくさにまぎれて改革は幕引きされてしまう。

だから孫氏が本当に再生可能エネルギーが原発より安いと思うのなら、発送電の分離を提案し、みずから投資してIPPに参入してはどうだろうか。経産省の改革派も、それを待っている。

・・・・・・
転載、終わり。

そうか~、まずは送電線の分離なのかあ・・・
電力会社は全力で抵抗・・・なので、世論はこれを動かす方向へ持っていかなくてはいけないのかもしれない。

まず何から手を付けるべきなのか、なのかもしれない。
それは脱原発よりも、発想電の分離(電力事業の自由化)が優先されるのかもしれない。

ゆるやかに「脱原発」へ向うにしろ、まずは原発への依存度を低くしようということでの、各家庭の「太陽光発電」(真夏の昼間の冷房はこれでなんとか・・・)は有効なのだろう。もちろん、ある程度「経済的余裕のあるご家庭」ということになるのだろうけれど、それでも需要が多ければ、コストも下がっていくだろう、と素人ながらに思うのだけど。



池田氏のニューズウイークのコラムより

○「メディアのバイアスが作る放射能の恐怖」
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2011/03/post-303.php

たとえば・・・ちょっと基準値を上回った放射線汚染された野菜を摂取することと、野菜を摂取しないこと(栄養バランスが偏ること)と、どちらが健康被害のリスクが高いかというと、私は「野菜を摂らないこと」のほうがリスクが高いと思う。(あくまで私の意見ね)

低線量被曝=発がん性を気にするのであれば、タバコ、農薬を気にしたほうがいい、と池田氏がいうのは、もっともなことだと思う。

たしかに「放射能」だけ「特別扱い」されている気もする。(それは今まで「被曝被害」について、情報を得ることもしなかったし、無知だったからだ)

ただ武田邦彦氏のブログにもあるように「被曝しないに越したことはない」ということで、タバコの煙を避けるのと同じ、農薬を落とすため野菜はきちんと洗って料理するのと同じ、気をつける程度でいいのではと思っている。


○「補助金漬けの自然エネルギーで脱原発派でいるのか」
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2011/04/post-318.php

↑孫氏への問いかけ、アドバイスとも受け取れる。たぶん孫氏に期待しているからこそ、なのかもしれない。


○盛り上がる東電解体論議で送電線分離は実現するのか」
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2011/04/post-308.php

↑池田氏は「電力のインターネットを実現するには、送電部門を分離して東日本の送電網を一つの会社に統合するなどの抜本的な改革が必要だろう。しかし問題は政治の指導力が弱く、インターネットのときの孫正義氏のような起業家が現れないことだ。新たなエネルギー革命を起こすには、革命家が必要である。」と孫氏へ期待を込めて訴えているのだろう。


ほか、ニューズウイークでの池田氏のコラム目次
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/



池田氏のアゴラでの記事より

○「自然エネルギー財団より電力事業のイノベーションを」
http://agora-web.jp/archives/1312035.htmlより
以下、抜粋転載。
・・・・・・

業界が孫氏に期待しているのは、IPP(独立系発電事業者)として電力事業に参入することだ。霞ヶ関では、東電の解体や発送電の分離が論議されているが、いくら送電網を分離しても、新しい事業者が参入しなければ意味がない。いま日本には50以上のIPPがあるが、ほとんどは重厚長大企業やガス会社などの公益企業で、東電に正面から挑戦するベンチャー企業はいない。

・・・・・・
転載終わり。

なるほど、孫さんに言いたいのはこういうことなのか、と。
ツイッターで絡む発言は「なんだかな~」だった池田氏であるが・・・
ただ、孫さんがやろうとしているものは何なのか、具体的にはまだよくは分からない。これからなんだと思う。


○「安全神話からリスク負担へ」
http://agora-web.jp/archives/1302639.htmlより
以下、抜粋転載
・・・・・・

原発事故のリスクはゼロではないのだから、いざ起ったときの被害が最小になるように立地するのが当然です。
ところが地元や反対派は「リスクをゼロにしろ」と主張し、国と電力会社は「リスクはゼロだ」と言い張ってきました。

今後の日本のエネルギー政策を考える場合、原発を新たに建設することは当分は無理だとしても、既存の原発を止めることはできない。安全対策を講じた上で、そのリスクについて理解を求めるしかないでしょう。その場合、大事なことは、原発は危険だという今や自明の事実を前提にしてリスク負担を考えることです。

・・・・・・
転載終わり。

リスクはある、ということを前提にしないと、始まらない、ということで・・・
しかし、どこも「リスクなど引き受けたがらない」だろうな・・・(だから電力会社と国は「安全だ」とウソをついてきたのだな)
ただし、そのリスクがどの程度のものなのか、最悪の事故が起きたときに漏れてしまう放射線量はどのくらいなのか、などなど冷静に見ることが必要なのかもしれない。
そして、低線量被曝がどのくらい害があるのか、もしくは無害なのか、このへんも「はっきり」させないと、リスクを正しく理解できないだろう。が、「はっきりできない」から、住民は長期避難させられ、生活を壊されることになり、リスクが高い、ということになるのである。

それにしても・・・
「東京都に危険なものを作ると、大事故が起きた時、都民、近県民を避難させるのが大変(リスク=被害も大きくなる)だから、人の少ない地域に誘致する」というのは、「道義的には問題あるが経済的には合理的」なのだろう・・・

もちろん、経済優先も大事だろうし・・・経済が落ち込めば、いろんなマイナス面が出てくるだろうし、道義的を湯銭するのは所詮「きれいごと」かもしれないが・・・

危険なものを押し付ける(負担させる)代わりに、その対価は払うということで・・・最終的に「お金で解決」ということになるのだろう。
莫大なお金を積まれれば・・・大事故の可能性は低いのだし(しかしゼロではない)、原発を受け入れるところもあるのかもしれないが。・・・住民たちが判断することになるのだろう。もちろん、いくらお金を積まれようが拒否する人もたくさんいるだろう。



○「リスクにあなたは騙される」
http://agora-web.jp/archives/1308615.html

↑被曝による死亡率がいくら低くても、ゼロであっても、長期避難させられ生活を壊されるリスクは受け入れがたい。もちろん、被曝による健康被害は無害であり、事故が起きて放射能が漏れても、避難する必要などなければいいのだけど。私が原発近隣住民であれば、そう思う。


○「原発は経済問題である」
http://agora-web.jp/archives/1290845.htmlより
以下、抜粋転載
・・・・・・

今回の事故で明らかになったのは、軽水炉のリスクはゼロではないが、最悪の条件でも多くの人命を奪うチェルノブイリ型の事故は起こらないということです。最悪の場合に1万人以上が死ぬような技術は比較対象にもならないが、今回の程度ならトレードオフを考えることは可能でしょう。今回の事故を詳細に検討し、経済性とリスクを客観的に比較して国民が選択するしかないと思います。

・・・・・・
転載終わり。

最悪、長期避難させられることを考えると、やはりそのリスクは大きい。
トレードオフということで、莫大なお金を積まれれば・・・原発を受け入れてもいいという人は出てくるかもしれないが。(大事故を起こす確率は低いだろうから)


○「豊かな日本の終わり」
http://agora-web.jp/archives/1287220.htmlより
以下、抜粋転載

・・・・・・
原発は技術の問題ではなく、こうしたリスクとエネルギーの安定供給というメリットをどう評価するかという経済問題なのです。

・・・・・・
転載終わり。

「今すぐに全ての原発を止めろ」という反原発派の人とは、私も意見は合わないかもしれない。

すべての原発を停止、解体、核燃料の処理をするのに、莫大な費用がかかり、まだ代替エネルギーが整備されない中、大停電も「しょっちゅう起き、経済はとことん落ち込み、税収も落ち込み、大増税せざるを得ず、ますます経済は落ち込み、税収がないので、いろいろと削らないとならず、一番お金を食う福祉も削ることになり、ということになるので、生活困窮者があふれ、生活保護破綻、ホームレスが増え、死者も増え・・・となれば、原発リスク(被曝によって健康を害するリスクと生活を壊されるリスク)よりも大きくなる気がするので。

経済維持ができる程度に、ゆるやかに脱原発ができれば、と。

その前に、電力会社の独占状態をやめさせる。
独占状態がなくなれば、相当、いろんなところが健全化するのではとも期待。
けど、おそらく、これが一番難しいのかもしれない。

原発を縮小すると、果たして、どこまで経済的ダメージを負うのかも、素人の私には具体的には分からないので。



ほか、参考になる池田氏のアゴラでの記事

○「問題は脱原発ではなく電力の全面自由化である」
http://agora-web.jp/archives/1305863.html

↑私も、「脱原発」よりも優先順位は「電力の自由化」だと思う。その先で「脱原発」ができるといい、とは思っているが。


○「原子力の時代は終わった」
http://agora-web.jp/archives/1318820.html

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ほか、池田氏ではなく・・・藤沢数希氏の記事
「原発を擁護する」http://agora-web.jp/archives/1294623.htmlより
以下、抜粋転載。
・・・・・・

原発を止めて、核燃料廃棄物を適切に処理し、廃炉にすることは極めて難しく、その技術もまだ確立されているとはいえない。一番安価な方法は、原発に制御棒を入れ、核燃料の余熱を管理しながら稼動させ続けることだ。そんなリスクのある「発電しない原発」、つまり何の経済的な恩恵もない原発を抱え続けることに何か意味があるのだろうか? 地元住民にとってもそれは決していい選択肢とはいえない、と筆者は思う。

・・・・・
転載終わり。

だから「稼動してしまった原発はこのまま続けろ」ということが言いたいのだろう。
使用済み核燃料廃棄物の処理がいかに難しいのかが分かった。
とにかく、少なくとも、原発はこれ以上、増設してはいけない、ということだ。


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○「最近の池田氏のツイッター発言」紹介

【何度も書いたように、私は軽水炉はもうコスト的にだめだと思うが、それ以外の原子炉の技術的な可能性をさぐるのはやめるべきではない。受動的安全装置が本当に実用化すれば、死亡事故のリスクはゼロになる。】

↑リスクゼロ・・・素人なので分からないが、「安全神話」とは違うのか・・・


【「分散エネルギー財団」にして、ガスタービンやスマグリの開発もしたほうがいいと思う。 RT @ken73ok: 孫さん、今回ブランドイメージ上手く固まったし、普通のPPSと違って通信でデマンドサイドも握っているので、従来にない面白い絵が描けると思います。 @masason】

↑孫さんへのアドバイス、と受け取れる。「なるほど」とも思う。

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