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漫画家と編集部(編集者) [本・テレビ番組・ドラマ・映画・マンガ・アニメ]

まずは、映画で大ヒットした「海猿」の佐藤秀峰氏のインタビュー記事を紹介しよう。

http://ure.pia.co.jp/articles/-/9165より一部転載。

【『特攻の島』連載にあたって、佐藤氏は芳文社としっかり執筆契約を結んだという。本人も「他にはこんな漫画家いないですね」と話す通り、出版業界では執筆にあたって書面をかわす慣習がない】

転載終わり。

出版社と作家が書面で契約を結ばず、口約束だけでまかり通っていたなんて、普通は考えられない仕事形態だ。

つまり、漫画家の地位はそれだけ低い、ということかもしれない。
一般の出版社からは、対等な仕事相手と見なされていない場合が多い気がする。
契約を結ばなくても、仕事が成立してしまう、一般常識でみれば、かなりおかしい業界である。

で、漫画家のほうも新人としてデビューするとき、「雑誌に載せてもらえるだけでありがたい」と考えてしまう。「載せてもらえるのなら、お金なんてどうでもいい」と。
編集部との力関係は、漫画家側が大ヒットを飛ばさない限り、弱い。

ライトノベル作家はどうなのだろう。同じなのかな?
また一般小説の作家とライトノベル作家とは、また違うのかな?

けどライトノベル作家も相当厳しそう・・・兼業で別の仕事をしながら書いている作家さんもけっこういるようだし。
作家で生活する、というのは、ヒットを飛ばさない限り、立場も弱く、かなり大変そうだ。

では、次に『海猿』の原作使用料について、
佐藤氏の発言、一部転載。

【テレビの場合、原作使用料は1クールのドラマで200万円くらいです。ほかの原作者さんもだいたい100~200万円くらい。映画も200万円ちょっとでした。これが多いか少ないかは人によって受け取り方が違うでしょうけど、僕はすごく少ないと思ってます】

【邦画ナンバーワンで70億のヒットと言われても原作者の僕には200万円ちょっと。どんなに興行収入が上がっても固定。“それはおかしいだろう”と思ったので、契約を小学館(海猿は同社のヤングサンデーで連載)に任せず自分で交渉しました】

【結果として映画の3作目からは10倍以上にアップしました。桁が一つ上がったんです】

【映画の2作目までは『映画化の話まとめてきたよ。これにハンコ押して』って(小学館から)契約書が届く感じでした。出版社としては、すみやかに契約を結ばせたいというのがあるんだと思います。変に揉めたら自分たちにお金が入ってこなくなりますから。彼らは別に僕がいくらもらっても関係ないんですよね(笑)。だからそんなに作家側にたって交渉してくれるわけじゃない」

【以前は映画で『海猿』のグッズなどが作られても、まったく僕には権利料が入ってこなかったんですよ。それも交渉してお金が入ってくるようになりました】

【作家さんは出版社より立場が弱いですから、十分な権利料がもらえなくても『その代わり本をいっぱい売るから!』と言われたら、なかなかそれ以上の主張ができないんです。でも、言ったら変わりますね。言わなきゃ変わらないってだけです。“作家が黙ってるからそのまま黙ってやっちゃおう”で済ましてしまう部分が、出版社にはありますね】

転載終わり。

こういった話はネットがあるからこそ知ることができる内容だよなあ。

作家側に立った交渉・・・出版社の編集部、および担当編集者は、できれば面倒なことはやりたくないだろう。というか、それは自分たちの仕事じゃないから「やらないのは当然」である。
やっても、やらなくても、編集さんの報酬は変わらないのだから。

だが前記事で話題にした「コルク」のような作家をマネージメントする会社が活躍すれば、こういったことも変わっていくのではないだろうか。

作家と契約を結び、作品が売れることで、その分、報酬も得るというスタイルをとっている編集者・佐渡島庸平氏の「コルク」では、作品を売るためにあらゆる努力をするし、漫画家の収入も増えるように動くと聞いた。
そして、作品が映画化なり、アニメやドラマ化なり、商品化なりした時、権利の交渉をし、その利益をできるだけ作家に還元するように、作家のモチベーションを上げる努力をしてくれるらしい。

ただし、「コルク」も作家を選ぶだろう。
自分が入れ込める作品、作家でないとつきあえないと佐渡島さんも発言していた。
ま、他者に入れ込んでもらうというのも難しいことかもしれない。



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