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どうなる出版業界 [社会・ニュース]

先日の朝日新聞の広告で知ったんだけどオタキングの岡田斗司夫さんが、なにやらおもしろいことを始めたようだ・・・http://www.facebook.com/okadatoshio?sk=app_10467688569
「著作物を無料で解放。世界はフリーに向う」
「ヒットしているコンテンツほどフリーとシェアで手に入る」

(たしかに、メジャーなヒット作品ほど、無料動画、または図書館など・・・無料とは言わないまでもレンタルDVD,古本など、閲覧可能だよな~)

また、幻冬社の見城社長も「本だけのビジネスは崩壊した」と発言。


そして、もうひとつ・・・
面白い本を読んでいる。「リストラなう」

光文社の社員がリストラにあい、今までの出版業界のことを暴露?している本だ。もとはブログで、それが本になった。
ブログにつけられたコメントも読める。コメントもなかなか面白い。
出版業界のことが、いろいろ書かれている。

ブログもまだ生きているので、ネットでも読める。
http://d.hatena.ne.jp/tanu_ki/20100329/1269871659

それにしても驚いたのが、光文社の、この45歳の営業職の年収。1100万円だ。
この人だけでなく、社員給料の平均もそのくらいらしい。
で、リストラされるにあたって、退職金は5200万円だ。

光文社クラスで、こんな高給とりなんだ・・・
出版不況といわれながら、よく社員にこれだけ払っていたなあ、と驚き。

で、残った社員は、年収1100万から800万程度に落ちるらしいけど、それでも高給。

また、「リストラなう」のコメント欄に書かれていたことだが、光文社で同じ仕事をさせられた派遣は300万にも届かないという・・・

社員との格差がまたなんとも・・・

そして、本を売るということが、いかに大変かも、伝わる。

というか、本を売ることによって利益を出すというのが、これほど難しいのに、社員がこんな高給でこの先やっていけるのか???

出版業界に興味ある方にはおすすめの本(ブログ)です。
このままでは、出版業界、どうなっちゃうんだろう、という感じ。

大手出版社は高給とりというのは知っていたけれど、現実に数字として見せられ、とくに同じ業界で働く人は愕然とした人もけっこういたようだ。

そういえば、テレビ局と、その下請けの製作会社も格差がすごいというし。

パイを公平に分け合うことをせず、派遣やフリーには仕事に見合った分の報酬を渡さず、一部分の者だけが高い報酬を得ているとしたら・・・
このブログ「リストラなう」のコメントにも書かれてあったけど・・・パイを公平に分け合っていないとなると、一旦、全部壊れてしまったほうがいいのでは、とも思ったりした。

ただ、「リストラなう」によると、年収などを公開(暴露)したことに対し、同じ光文社に勤める者が批判していたらしい。

なぜ、年収を公開することがいけないのだろう?
ま、日本人はそういったものを公表したがらないものなのかもしれないけれど。

穿った見方をすれば、これだけの高給を受け取れる利益を出すような仕事をしていないから、それが知られると後ろめたいから、年収の公開に異を唱えているのではないか?と思う。
そして、パイを公平に分け合っていない心苦しさもあるのかもしれない。

これだけの高給を得ていることを「当然の対価だ」「それだけの仕事をしている」「正当な報酬だ」と思っているのであれば、堂々としていていいはずだ。年収を公開されても良いはずである。なぜ隠す必要があるのか?

ま、一般人から見れば・・・出版不況といわれながら、すでに赤字がずっと続いているらしい会社なのに、45歳で年収1100万円、そして退職金5200万円という数字に「?」がついてしまう。

出版社は広告収入があるとはいえ・・・

出版業界に関わっているどこかが、そして誰かが不当に搾取されたり、誰かの犠牲の上で成り立っている数字ではないかという黒い見方をしてしまう。
だから、社員の年収が公開されたことに対し、批判が出たのでは?と。

けど、こういった情報を公開することによって、歪んだ部分がはっきり見えてくるかもしれない。パイを公平に分け合おうという空気が生まれるかもしれない。それは良い方向だと思うのだけど。

ちなみに、これは営業職の年収であって、編集となると、残業手当がかなり入るので、編集のもっとずっと高給になるらしい。

光文社は今回で50人リストラするという。
退職金5000万クラスが50名ということで、25億円だ。
光文社クラスが退職金だけで25億円出せるのだ。

もし、誰かが安く使われ、どこかが不当に搾取されているのであれば、そういう業界は一度崩壊したほうがいいのかもしれない。というか、崩壊に向うものなのかもしれない。

まあ、とにかく、正社員は優遇されすぎの気がする。
保護され、安定であるからこそ、その分、正社員は給料は低くし、そしてクビにできる不安定な派遣社員やフリーの人にこそ、高い報酬を支払うほうが、公平なのでは、と。

それにしても・・・コメントにも書かれていたけれど、5000万円もの大金を退職金としてもらった40代~50代のこの光文社の元社員たちはもしかしたら「逃げ得」できた、とも言えるのかもしれない。

そして、リストラすることによって社員数は減り、残った社員はその分、多くの仕事をこなさなければならず、あまりの忙しさに精神を患ったり、病気になったり・・・廃人になるケースもあるのだとか・・・
それならば、皆で痛みを分け合い、もっと早くから社員の給料を少なくすればいいのに、と私も思ってしまった。

ま、社員の給料が高いまんまなので、社員も危機感がなかなか持てなかったんだとか。

ぎりぎりまで危機感がなく、何の手も打てなかったらしいJALもつぶれたことだし、大手出版社もつぶれるところがけっこう出てくるのかもね。
それでもJALの企業年金(平均から見たらかなり高額だ)で優雅に暮らしている引退世代・・・逃げ得できた人たちも多くいる。

というか、日本の未来の姿にも思えてくる・・・
官僚の天下りなどのために存在する無駄な企業をなくすこともできず、年金改革もできず、何の手も打てず、世代間で痛みを分かち合うことも出来ず、働き手世代はあまりの負担に老人世代を支えられなくなり、生活保護も増え、社会保障費福祉費は膨大になり、破綻する。
逃げ得する世代、損をかぶる世代・・・


ところで、出版業界がこのような事態になっても、大手出版社に入りたい就職活動中の学生には相変わらず高い人気なのだろうか、とも思う。まだまだ高給だし。
けど、何十年後かはどうなっているかは分からない・・・


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「リストラなう」では漫画についても語られている。

そう、作家やライターを目指す者にとって、知りたいのはやはり「どれくらい原稿料が出るのか」だろう。
漫画家もそうである。

それは出版社・編集部側から、ちゃんと公開して欲しい。なぜ表に出そうとしないのか?
最低はこれくらい出します、という最低の額を公開するべきだと思う。
そして、人気によって、額が上がっていくのであれば、どのくらいの人気をとれば、どのくらいの原稿料になるのか、示して欲しいと思った。

なのに、そういったことはなんだか隠そうとする。
「好きなことを仕事にしているのだから、お金のことを考えるな」というのは、今の時代は通らなくなってきていると思う。

なので、雷句誠氏や佐藤秀峰氏クラスでさえ「こうだったんだ」と知らされ、編集部からの扱いや、原稿料のことなど公表されたことは、本当に良かったと思う。
他の作家さんも、公開して欲しいと思った。そうすれば、このクラスならばこれくらい、という基準が分かる。
その上で「それでも漫画家、作家を目指しますか?」ということだ。当たればハイリターン、だが、そうでない場合も考えないといけないだろう。ハイリスクの世界だけに、公開するべきだと思う。

漫画家であろうがライターや小説家や作家であろうが・・・売れっ子はともかく、中堅の作家はわりと低収入(漫画家の場合はアシスタントの人件費がかかり、原稿料だけでは赤字)なので、社員がそんなに高給なのであれば、それを少し削り、もう少し、作家側に報酬を、とも思う。
本や雑誌は、ライターや作家や漫画家なしでは成り立たないだろう。


ま、個人的感想を言うのであれば・・・高給取りというのは知っていたつもりだが、講談社や集英社など大手出版社の社員の給料の額がこれほど高いとは驚いた。編集部は「時間外手当」もつくだろうから、額はもっと上になるのだろう・・・

私は打ち合わせのときくらいしか、編集の仕事を見ることができなかったが・・・これはもう個人差があり、親身になってくれ、いろいろアイディアを一緒に考えてくれた担当さんもいれば、まったく「適当」で、やる気のない(きっと私の漫画に興味が持てず、どうでもよかったのだろう)担当さんもいた。でも、皆、同じ給料をもらっていたんだよな~・・・できる編集はいろいろと仕事をまかされ、そうでない編集は仕事をまかせられないので、仕事量も少ない・・・時間外手当の差はあるだろうけれど、年功序列で、年齢(勤続年数)が一緒ならば基本給は同じ。

なんだかな~と思う。
できる編集者はもっと思っていただろう。

また、売れっ子はともかく・・・中堅漫画家の原稿料を考えると、あまりの落差に愕然。
原稿料だけではとても生活できない。収入から人件費などの経費を引けば、赤字。単行本の収入のみで、なんとか生活できる程度だ。
フリーとはそういうものだ、と言われれば、そうなのだろうけれど、ならばその実態を知らしめるべきだと思う。

ネットの時代になり、皆が情報を得られるようになり、生き方を考えることができるようになるのは良いことだと思う。

そして「表現したい」というだけであれば、それほど経費をかけず、ネットでいくらでも発表できる。(何人が見るのか読むのかは置いておいて)
仕事にするのか、趣味にしておくか・・・これからの人は、こういう実態を知った上で、漫画家や作家を目指すかどうかを考えるだろう。

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補足。
「リストラなう」のコメントより。
以下、転載。

講談社・集英社あたりは、光文社の給与の1.5倍はあります。
たぬきちさんと同じ45歳だと、1900万以上もらっているわけです。
(ちなみに新卒者の初年度年収で900万~1000万)
しかも面倒な仕事はすべて子会社かフリーランスがやってくれるという……。
(ちなみに常勤フリーランスだと30年勤めても年収700万~800万くらい)

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余談その1

ところで、講談社の社長が、息子さんになったようですね。

講談社社長・・・父(49歳で亡くなる)→次はその奥さん=母(しかもそれまで専業主婦)→で、今、その息子(今までは母の元で副社長)と・・・

たいてい、こういった同族会社って、衰退していくものだけど、講談社は果たして・・・

以前、講談社もすごい赤字と聞いたことあるけれど、社員は相当な高給なんだろうな~

ああ、そうそう・・・高給社員抱えて、JALも破綻したんだっけ。

というか、日本が破綻の道に向っているような・・・
そう、保護されすぎの老人たちを抱え、そう遠くない未来に、破綻するのかもしれない。

まだ、とりあえず会社に保護される中高年の正社員、正社員になかなかなれず派遣社員として安く遣われる若い世代、厚生年金にも企業年金にも入れず、それでも団塊の世代が食い尽くした年金が破綻してしまいそうになり、受給額が減らされ、わずかな国民年金は「すずめの涙」で老後も真っ暗になるかもしれない若い世代・・・年金は世代間の助け合いというのであれば、すでに年金をもらっている老人達、これからもらう団塊の世代は受給額を減らし、若者を助けないといけないかもしれない。

いまや、日本の弱者は、年金をたんまりもらっている老人ではなく、社会から安く使われ、年金の受給額も大いに減らされるだろう若者かもしれない。
けど、たぶん、そうはならず、破綻の道を進むことになるのかもしれない。

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余談その2

本を売るということが、かなり難しい、ということが、今さらながらに分かった。

在庫を抱えてしまうのを避けるために、出版社の営業は仕事をするという。
その点、ネット(電子出版)は「在庫」はない。
ネットの登場で、ほんとうに変わってしまったらしい。

私も、現在、ひっそりと、ピティナのサイトでショパンの漫画を描いている(もちろん読むのは無料♪)。
ピティナのサイトを盛り上げるためのひとつのコンテンツとして使われている。

紙の印刷は大変だけど、ネットはほんとうに手軽。経費がかからない。
ネットがなかったら、需要のかなり少ない(つまり一般の人にとってはショパンなど興味ないっていうこと=つまり売れない。利益は出ない)ショパンの漫画も描けなかっただろう。

とはいっても、せめて宣伝に、もう少しがんばらないといけないのかもしれない、と反省。
ピティナはサイトを盛り上げるために、ショパン漫画を扱っているのだから、ピアノに興味を持っている人対象に、もっと認知されるよう、作者も努力しないといけないのかもしれない。

なのに、作者の公式ブログは、あまりにピアノネタが少ない・・・なのでピアノ目的の訪問者は当然少ない・・・反省、反省じゃ~
そう、これではブログをやっている意味がない・・・

この「リストラなう」関連記事を一通り書き終えたら(・・・つまり、まだ「その2」「その3」という続きがあるってこと)、本当にピアノ音楽ネタをがんばろう・・・(でもきっとアクセス数はぐっと落ちるだろう)

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余談その3

そういえば、編集っていう仕事は、転職市場からこう見られているみたい。
http://harada-yoichi.com/fields_note/blog/2010/03/1.html

「つかえない」って。
いや、作家はよく編集者から「つかえない」「いらない」って影で言われるけれど、編集者も言われているんだね・・・^^;

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余談その4

リストラ・・・再構築ってことらしいけど、ま、「あんた、いらない」と会社から言われることで「クビを切られる」という意味で使われる。

いらないといわれる人(市場価値がない人、低い人)は、もしかしたら、わりといるのかもしれない。

ただ、残された人間は業務が回らなくなって、無茶な働き方を要求され、廃人同然になったりするのが現実だとも聞く。ほんとうに厳しい。

労働基準法はどうなっているんだろう・・・

去るも地獄、残るも地獄・・・が、今の現状なのか・・・
自殺者が3万人以上というのも分かる気がする。

さてさて私も市場価値が低い人間だ。

市場価値があるかないか・・・多くの人にとって需要がある仕事が出来るかどうか、なのだろう。
でも需要ってやつは、時代と共に変わっていくのだろう。

昔はゆっくり変わっていったのだろうが、今は早く変わってしまい、順応性や先見性が求められるのだろう。

そして、優秀であるかどうか・・・凡人は落伍してしまう社会となっていくのかもしれない?

また、需要のあるお仕事が、自分に向いているのかどうか・・・
いくら需要があるからといっても、向いていない仕事は失敗する可能性が高い気がする。

「リストラなう」に書かれていたけど、「会社に頼っていれば何とかなった時代から、自分自身で自分の市場価値を高め、フリー感覚で人生を切り拓かなければならない時代へ」なっていくのかもしれない。

ま、市場価値のある優秀な人達で日本社会を盛り立てて欲しい^^

凡人のひとりであり、市場価値が低い私も、「負け犬」「価値の低いのだ」と認めつつ、世間様の価値観に振り回されず、マイペースで行くしかない。
周りを気にするな、というのは難しいし、全く気にしなければ、本当に取り残されてしまい、生活もままならなくなってしまうので、自分のできる範囲内で努力し、分をわきまえた生活をし、死を待つしかないのだろう。あまり希望も持ってないが、かといって別に絶望もしていない。やっぱり日本社会にいられるってことは恵まれていると思う。

「いらない」といわれることは普通のことで、「必要だ」と言われることとの方が稀だと思ったほうがいいかもしれない。

もちろん、体よく使われるために「必要だ」と言われ、安く利用されてしまうこともあるだろう。あるいは長時間労働を強いられ、「いつでもやめていい」と脅されるのだろう。

本当に正当な報酬で雇われ、「必要だ」といわれる人はごくごく一握りの人間なのかもしれない。

それでも、いつかは「いらない」と言われるのだろう。

若い世代もだいぶ考え方が変わってきたようだ(というか変えざるを得ない)
無理しないほうがいいと私も思う。自分を守るためだ。

とくに鬱病など、精神(脳)の病気になってしまったら、ほんとうに厄介だ。脳のコントロールがきかなくなるというのは怖いことなのだ。

低収入であれば、それに見合った生活をし、高望みをしなければいいのである。
生活にどうしても必要な消費のみにし、あとはできるだけ消費を控える生き方をしていくしかない。

上のお金持ち世代は「情けない」と嘆くが、単に、景気が良く、自分達が恵まれた社会に今までいただけのこと、自分達に実力があったから、努力したからではない・・・かもしれない。
上の世代の方で、フリーで仕事をしてみろ、転職してみろ、と言われ、何人が自信を持ってできるだろうか・・・とも思う。

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余談その5

これとは関係ないけれど、ある日記でこんなつぶやきがあった。
いや、私もバブル世代だけど、かなりケチケチ生活してまっせ。(遊びに出るのは月1。それも減らそうかと思っている。食品も半額セールを狙って買い物するし、生活必需品以外は買わない。趣味はピアノ、読書(図書館から借りる)、ブログを書くこと・・・なので、そんなにお金は使わない。最近はレンタルDVDもさほど利用しなくなった。)

けれど、出版不況だというのに(もちろん会社が儲かっているのであれば別にいいのだ)、45歳1100万の収入、5200万円の退職金(後の世代の人はこんなに貰えないだろう。悪くすればいずれ会社倒産で退職金どころじゃなくなる)・・・のことをきくと、そういわれるのも仕方ないかも、と思える。


以下、転載
「一番いかんのは、大不況の癖に贅沢癖が抜けきれず、いつまでも社会に居座って若者の活躍の場や給料をせしめてるバブル世代の連中だよね」

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