SSブログ

真珠湾攻撃とアメリカ [国家・日本近代歴史・戦争関連]

訂正というか・・・補足。
以前、「アメリカは、日本が奇襲することは知っていたけど、真珠湾だとは思わなかった」というようなことを書いたけど、
「アメリカは、真珠湾が攻撃されるかもしれないという情報を聞いていたが、真珠湾攻撃は不可能だと思っていたので真剣に取り上げず、まさか、日本の奇襲先が本当に真珠湾だとは思っていなかった」という言い方に訂正しておきます。

ーーーーーーーーーーーーーー
「目からウロコの太平洋戦争」を読んで、いろいろと勉強になったことを書いてみる。


とくに「真珠湾攻撃」について、日本の戦闘機パイロットの技術がほんとうにすごかったことを知った。
で、中国に進出した日本に対するアメリカとの確執?は日露戦争からあったらしいというのも・・・

ーーーーーーーーーーーーーー
まずは、日本がアメリカとの戦争へ突き進んでしまった状況について。

1929年アメリカで始まった株価の大暴落から世界恐慌へ。

不況で困った欧米企業が良質で廉価な製品を日本国内に持ち込み、日本製品は駆逐され、企業が倒産し、失業者が急増した。農村でも、生糸や農産物の大暴落で貧困状態であった。

昭和恐慌の始まり・・・しかし、一般市民が貧困にあえいでいる中、強大な資本をもった財閥だけが中小企業を吸収して、肥え太り、国民の恨みを買い、また経済政策に失敗した政党内閣からも人心は離れ、国民の期待は軍部へ。

円の価値が暴落し、円安となり、日本製品の国際価格は低下したため、輸出が伸び、また満州事変で軍需品の需要が伸び、日本は昭和恐慌から立ち直る。

しかし欧米列国は世界恐慌のダメージから立ち直れず、自国と植民地で、他国の製品に法外な税関をかけ、輸入量を制限し、他国の製品を排除し、閉鎖的な経済圏を構築した。=ブロック経済圏

こうした列国のブロック経済圏が確立され、日本製品は締め出される。

日本が、列国のように植民地を持っていたならば、日本もこうした「ブロック経済圏」が作れ、経済力を維持できるのに、と考えるのは当然かもしれない。
植民地をもっていないがために、ブロック経済圏が作れない。これはドイツとイタリアもそうであった。

日本は、満州、朝鮮、台湾だけでは自給自足の経済の確立は不可能だった。そして中国へ進出(侵略)することになる。

日本の中国侵略を非難するアメリカ、イギリス・・・特にアメリカは次々と日本に経済的な制裁をしてくる。

アメリカから石油をストップされかねない状況であり、石油をアメリカに頼っていた日本は資源を求めて南方へ進出した。

アメリカは日本への石油の輸出を完全ストップし、ABCD包囲陣=(アメリカ、イギリス、中国、オランダで経済封鎖網)を構築し、日本を押さえ込もうとする。

そして日本を挑発し、戦争へ導く。

アメリカは戦争に参加したかった。

1939年、第二次世界大戦が勃発していた当時、アメリカは不況にあえいでおり、これを打開するには、戦争に参加し、軍需製品をイギリスなどの連合国に輸出し、経済回復を考えていた。
(が、この頃はまだ戦闘には参加せず、大量の軍需製品を輸出することを考えていた。)

1940年に日本とドイツ、イタリアの三国同盟を結び、アメリカは参戦を考えざるを得なくなり、戦争準備を整えていく。

アメリカはドイツに対し「アメリカ軍が太平洋上でドイツ船を発見したら、撃沈する」という宣戦布告に近い宣言をするが、ヒトラーはこういったアメリカの挑発にのらず、大国アメリカを敵にまわすことはしなかった。

なので、アメリカは日本を徹底的に挑発することにし、石油をストップ、強硬な経済封鎖をし、「ハルノート」(日本が絶対にのめない要求をしてきた)をつきつけ、日本から最初の一発目を打たせることに画策する。
参戦に消極的なアメリカ国民の支持を得るには、日本を暴発させるのが一番である。

日本はまんまとアメリカの挑発に乗ってしまった。というか、戦争しか道が無いという状況にアメリカに追い込まれた。
それでも、政府トップも軍部トップも「アメリカに勝てる」とは思っていなかった。アメリカにある程度の打撃を与え、なんとか講和に持ち込めたら、と考えていたらしい。

アメリカは、日本外務省の暗号解読に成功し、奇襲をかけてくることを知っていたが、「どこに」ということはわかっていなかった。
それでも、この奇襲を卑怯なやり方だと非難し、世論を味方につけることができる。

そして日本の真珠湾攻撃で、アメリカは参戦する。

ーーーーーーーーーーーーーー
真珠湾攻撃について。

装甲の厚い戦艦を撃沈させるには魚雷攻撃が有効だった。
だが、真珠湾は、魚雷で攻めるのに、ものすごく難しい場所である。

魚雷攻撃・・・目的物の1000メートル手前で、海中に魚雷を投下する。魚雷は一旦、数十メートル沈んでから、浮上し、そのまま走り、目的物を爆破する。

しかし、真珠湾の水深は12メートル。水深が浅いと、魚雷は海底にぶつかり爆発するか、つきささる。
なので真珠湾攻撃は不可能と言われていたという。

けれど、日本の熟練パイロットは曲芸のような技で、水面に魚雷を置くようにして発射し、水深10メートルでも、魚雷攻撃を可能にしてみせたという。

それでも上層部と海軍全体はこの真珠湾攻撃に躊躇していたが、山本五十六司令長官が辞職覚悟で押し切ったらしい。

アメリカは、日本が奇襲をかけてくることを知っていたが、まさか真珠湾だとは思っていなかったらしい。
(・・・というか、アメリカは、真珠湾が攻撃されるかもしれないという情報を聞いていたが、真珠湾攻撃は不可能だと思っていたので真剣に取り上げず、まさか、日本の奇襲先が本当に真珠湾だとは思っていなかったらしい)

日本は、真珠湾を攻撃することを決めてはいたが、山本五十六は「日米交渉で開戦が回避される」ことを直前まで望んでいたという。

難しいとされていた真珠湾攻撃は、戦艦4隻の撃沈、そのほか大破した艦船は多数、敵機231機の破壊ということで大成功だったという。

ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
日露戦争について。「目からウロコの太平洋戦争」より。

日露戦争時、イギリスとアメリカはそれぞれ思惑があり、日本の外債を購入し、日本が優勢に立てるよう、資金の助力をした。

イギリス・・・極東へ膨張するロシアを抑制したかった。
アメリカ・・・中国に進出にしたかった。日米共同で満州を統治しようと考えていた。

日露戦争後、アメリカは南満州鉄道の共同管理を日本政府に提案。予備協定が取り交わされたが、その後、日本は単独経営をするといって、白紙撤回した。

アメリカの対日感情は悪化する。

日本はロシアと組み、両国の中国における権益が侵害された場合、共同防衛を行う確約をとりつけ、アメリカを満州から閉め出した。
日本は巧みな満州権益の防衛外交を行った。

が、アメリカから怒りを買い(アメリカ本国では、日本人排斥運動が起こる)、後々、中国に進出した日本はアメリカから非難され、戦争へ誘導され、太平洋戦争で徹底的に叩かれることになる。

ーーーーーーーーーーーーー
そういえばNHKでも「日露戦争について」特集番組をやっていたが、アメリカは、日本に闘わせて、邪魔なロシアを撤退させ、満州への進出を目論んでいたという。

でもロシアも、日本と戦争をすれば、喜ぶのはイギリスだと分かっていて、日露同盟の話も出ていたようで・・・)この話は日本にも伝わっていたらしいのだが・・・)、ロシア軍は撤退すると言いながら、ずっと満州に居座り、結局は日露戦争が起きてしまったようである。
日露戦争は、日露の間だけではなく、各国の思惑がそれぞれ絡み合った「世界大戦」でもあったという。

ーーーーーーーーーーーーー
関連記事
「バターン死の行進考察」日本軍は悪だったのか?
http://kayashi.blog.so-net.ne.jp/2011-01-06

「南京事件考察」日本軍は悪だったのか?
http://kayashi.blog.so-net.ne.jp/2010-12-26


補足
・・・というわけで以前の↑関連記事でも「日本軍は悪だったのか?」ということで、日本軍を擁護するような書き方をしたかもしれないが、日本軍が酷いことをしたのも確かだろうと思う。

沖縄戦では、民間人に自決用の手榴弾を配布していたことから・・・自決を強要した明白な命令書はなかったかもしれないが、自決するよう指導していただろう。それは結局は、強制したに等しい行為だろう。

自国民の命さえも軽く扱ったのだから、敵の捕虜や敵の民間人の命も軽く扱っただろう。

国益のためであれば個人が犠牲になるのは当たり前であり、人権というものが全くなかった当時の日本(軍)が「正しかった」とは思わない。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。